コラム

Google社が提供するUniversal Analytics（以下、UA）は、2023年7月1日をもってGoogle Analytics4（以下、GA4）へ完全移行することが発表されています。今回は、UAからGA4へ移行することで変わること、移行前にチェックしておきたいことついてご紹介します。

2023年7月からUAはGA4へ完全移行する

2023年6月30日のUA停止にともない、これまでのUAは過去データの閲覧しかできなくなります。その後2024年1月末をもってデータ閲覧も終了するため、2023年中に過去のレポートをエクスポートしておくことを強くおすすめします。

GA4ってどんなツール？これまでの解析ツール・UAとの違い

GA4とUAとの大きな違いは計測の指標です。UAは「セッション」数を、GA4は「エンゲージメント」数を計測し、Webサイトやアプリのパフォーマンスを可視化します。

●UAの計測指標「セッション（訪問回数）」

Webサイトやアプリを訪問してから離脱するまでの一連の行動を計測します。

●GA4の計測指標「エンゲージメント」

1.Webサイトやアプリの閲覧が10秒以上継続、2.コンバージョンイベント（問い合わせをクリックなど）の発生、3.2回以上のページビュー、いずれかに該当する行動（イベント）を計測します。
計測の指標が変わったことで、見るべき数値も変わります。UAは「ページビュー（PV）」単位でしたが、GA4では「イベント」単位を見るようになり、その他さまざまな数値が取れるようになります。慣れるまでは使いづらい点があるかもしれませんが、UAと比べて自由度の高いツールだとされています。

GA4へ移行する2つの理由

Google社がGA4へ移行を決めた理由は、大きく2つあるとされています。
1つは、ユーザーのインターネット利用環境の変化、そして行動の多様化です。これまで多くの方はパソコンのWebサイトでインターネットを利用していましたが、近年はスマートフォンやアプリの利用が増えています。しかしUAではアプリのアクセス解析が難しく、さらにはPC→スマートフォン→アプリのようなデバイスをまたいだ行動を1ユーザーとして追跡できませんでした。しかし、GA4ではこれらを1ユーザーの行動として計測可能になったのです。

もう1つは、個人情報の保護規制が世界的に強化されているからです。UAではユーザー行動をトラッキングし、年代、性別、居住地域、趣味嗜好などからプロファイルを予想する「サードパーティCookie」の仕組みを利用していました。しかし、個人情報保護の観点からこの仕組みの使用を避ける世界的動向を反映し、GA4でも新たなデータ取得法を採用しています。

まだ移行していない方がUA終了までにチェックしておきたいこと

1.GA4プロパティが自動生成されているか確認する
UAの設定をもとにGA4プロパティを自動生成する機能が、デフォルトで有効になっています。2023年2月から順次反映されていますので、まだ移行していないという方は「アナリティクス」を開き、自動生成されたGA4プロパティの有無をチェックします。

2.自動生成されたGA4プロパティの内容を確認する
これまで利用していたUAと自動生成されたGA4のプロパティを見比べて、計測状況の差異を確認しましょう。ツールの違いによる差異が発生しているので、できれば完全移行前に同条件での差異がどのくらい発生するのかを把握しておくことがおすすめです。
自動生成されたGA4プロパティのままでは、これまで計測していた項目が引き継がれていない可能性があります。そのため、なるべく移行作業は手動で行い、確実にGA4へと引き継ぐことをおすすめします。

まとめ

新しくなったGA4ではさまざまな数値が計測できますが、「自社サイトのパフォーマンスを知るために何の数値を見るべきか」の判断が難しい部分もあります。また今回のように、Google社が提供するサービスは時代の変化に合わせた仕様変更がたびたび行われるため、最新のデータ解析技術を容易に使うことができるアクセス解析ツールの導入も検討の余地があるでしょう。
自社サイトやアプリにおけるアクセス解析の方向性、そして解析ツールの運用方法を決めるためにも、まずは一度GA4プロパティをチェックし、移行作業を完了させることをおすすめします。

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※2023年6月現在の情報です。情報ご参照の際は　最新の情報をご確認いただくようお願いいたします。