パソコン用サイトをスマートフォンで見るとき、文字が小さすぎて、拡大しないと読みづらいことはありませんか？一方、パソコンでスマホ用サイトを見ようとすると、大量にスクロールする必要がありますよね。企業のWeb担当者にとっては、頭を悩ませる問題ではないでしょうか。
デバイスによって最適なサイト表示の具合が異なるとき、活躍するのがレスポンシブWebデザインです。今回は、レスポンシブWebデザインの意味やメリット・デメリットについて解説します。
レスポンシブWebデザインとは
レスポンシブWebデザインとは、デバイスや画面サイズに関係なく、最適化された見やすい形で表示されるデザイン・手法のことを指します。「レスポンシブ」は、「反応が良いさま」という意味があります。
レスポンシブWebデザインでは、パソコンやタブレットで見るときなら画面上の情報量を多くし、スマートフォンで見るときはページの縦スクロールだけで十分な情報を得られるようにデザインします。スマートフォン用サイトとパソコン用サイトを分けてデザインする従来型とは異なり、レスポンシブWebデザインは視聴デバイスの種類に関係なく、1つのアドレスで利用できます。
レスポンシブWebデザインの必要性
インターネット上に情報があふれている現在、見づらさを感じるサイトでは利用者を惹きつけることはできません。せっかく有用な情報が記載されていたとしても、ユーザーは短時間で疲れてしまい、他のサイトに流れていってしまいます。
つまり、「デバイスに合った、見やすく最適な画面構成や画像の大きさで情報を提供すること」は、サイトを作成する際の最低限の条件ともいえるのです。
しかし、スマートフォン用サイトとパソコン用サイトに分けて作ってしまうと、ユーザーがどのデバイスで視聴するか分からないため、少なくとも2通り（パソコンやタブレットの画面の大きさによっては3通り以上）のURL（サイトページのアドレス）を提供しなくてはならなくなります。
レスポンシブWebデザインでは、複数のCSS（画面表示の指定）を、1つのHTML（Hyper Text Markup Language／Webページ制作上、最も基本的な言語のひとつ）で配信できます。
ユーザー側は、デバイスを問わずアクセスでき、どのデバイスでも最適化された表示で閲覧できるので、2種類以上のサイトがあるよりも利便性が高くなるでしょう。
レスポンシブWebデザインのメリット
レスポンシブWebデザインには、主に3つのメリットがあります。
レスポンシブWebデザインのデメリット
レスポンシブWebデザインにはデメリットもあります。とりわけ次の3点には注意が必要です。
- デザインが限られている
- スマートフォンでの表示に少々時間がかかる
- 製作時に時間がかかる
HTMLを1つにするため、パソコン表示とスマートフォン表示のデザインを大幅に変えることはできません。まったく異なるデザインにしたい場合は、パソコン用サイトとスマートフォン用サイトを別々に作成する必要があります。さらに、スマートフォンでもパソコンと同じ情報量を読み込むため、表示までに時間が少々かかることがあります。スマートフォン表示をメインにしたい場合は、スマートフォン用サイトを別途作成することも検討してみましょう。
また、修正や情報追加の際には手間がかからないレスポンシブWebデザインですが、「最初に制作するときには、デバイスごとのデザインを組み込むため手間がかかる」という点はデメリットと言えるでしょう。
レスポンシブWebデザインは多様なデバイスに対応するために必須
多様なデバイスでストレスなくWebサイトを利用するためには、レスポンシブWebデザインは不可欠です。より多くの人々に閲覧してもらえるサイトを作るためにも、マーケティング戦略の1つとしてぜひ検討してみましょう。