2024年3月期の経営成績の概況
2024年3月期における我が国経済は、社会活動や経済活動の正常化が進む中で、金融・財政などの各種政策の効果もあり、景気は緩やかに回復しております。
一方、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の激化による資源・原
材料・エネルギー価格の高騰、円安による物価の上昇に加え、世界的なインフレに伴う政策金利の引き上げなどによる海外景気の減速への懸念があり、今後の景気動向には十分注意する必要があります。
当社グループの事業領域である情報サービス産業を取り巻く環境については、企業収益の改善傾向が続く中、人手不足対応やテレワーク関連投資、デジタル化に向けたソフトウェア投資を中心に、企業のIT投資への意欲は底
堅く、IT投資需要は引き続き拡大することが期待されます。当社グループの属する国内CMS市場においてもWebサイトの重要性が増してきていることから、WebマーケティングやWebに関わる業務改善についても興味・関心がもたれる企業が増加してきております。
また、コロナ禍以降、事業変革に向けデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みが加速し、働き方改革に伴うクラウドや生成AIの利用促進により、国内企業にお
けるDX投資の需要は堅調に推移してきました。特に、生成AIの一種であるChatGPTが注目を浴びるなど、コスト削減や業務効率化、新たな働き方を創造するための最先端技術を活用した動きはさらに活発化しており
ます。
このような事業環境の中、当社グループは自社開発のWebサイトコンテンツ管理システム「infoCMS」を活用したWebサイト構築及び構築後のサーバ・システム運用保守などのアフターサポートまでを一貫し
たWeb受託開発・ASPサービスを主事業とし、子会社である株式会社アイアクトからはAIを利用したファイル・サイト内検索システム「Cogmo Search」、会話の分岐が可能な第2世代AIチャットボットシ
ステム「Cogmo Attend」のサービスを提供するなど、企業の業務改善DXとWebマーケティング支援を目的とした事業展開を行っております。2024年3月期においては、簡単にWebサイトのアクセス分析が可能な「MEGLASS finder」のCHatGPT連携によるAI分析機能など、更なるデータ分析業務の効率化とWebサイトの改善策を自動アシストする機能を追加したバージョンアップ版をリリースいたしました。また、企業の効果的なコーポレートコミュニケーションの多様化に対応する「サステナビリティサイト診断サービス」の提供を開始し、記事作成を劇的に加速させるAIライティングサービス「LENSAwriter」を開発するなど、Web関連商材の更なる拡充強化をしております。
これらの結果、2024年3月期の売上高は1,767,655千円(前年同期比4.3%増)、営業利益は188,844千円(前年同期比32.6%増)、経常利益は168,215千円(前年同期比20.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は99,585千円(前年同期比21.1%増)となりました。
2024年3月期の財政状態の概況
2024年3月期末における総資産は1,627,598千円となり、2023年3月期と比較して14,748千円の増加となり
ました。流動資産は993,944千円となり、2023年3月期と比較して21,382千円の減少となりました。これは受取手形、売掛金及び契約資産が90,694千円増加した一方、現金及び預金が116,212千円減少したこと等によるもので
あります。
固定資産は633,653千円となり、2023年3月期と比較して36,131千円の増加となりました。これは投資その他の資産が38,273千円増加したこと等によるものであります。
流動負債は398,267千円となり、2023年3月期と比較して5,020千円の増加となりました。これは未払法人税等が16,084千円、買掛金が14,338千円増加した一方、1年内返済予定の長期借入金が30,034千円減少したこと等によるものであります。
固定負債は190,204千円となり、2023年3月期と比較して98,766千円の減少となりました。これは長期借入金が99,996千円減少したこと等によるものであります。
純資産は1,039,126千円となり、2023年3月期と比較して108,494千円の増加となりました。これは利益剰余金が99,585千円増加したこと等によるものであります。
なお、当社グループはWeb受託開発・ASPサービス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記
載はしておりません。
2024年3月期のキャッシュ・フローの概況
2024年3月期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2023年3月期末より116,212千円
減少し、499,217千円となりました。
2024年3月期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果、獲得した資金は123,528千円(前期は226,129千円の獲得)であります。これは主に、税金等調整前当期純利益168,215千円によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果、使用した資金は118,176千円(前期は45,973千円の使用)であります。これは主に、無形固定資産の取得による支出65,290千円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果、使用した資金は121,564千円(前期は131,823千円の使用)であります。これは主に、長期借入金の返済による支出130,030千円によるものであります。