「アイデアが必要なのに何も思い浮かばない、どうしよう?」「明日までにこの企画を立てないと。。。」仕事をしていると、こんな場面に遭遇することはありませんか?
「アイデア道場」では、アイデアの発想法や考え方をご紹介しながら、実際にアイデアを考えることで、発想力を鍛える方法をお伝えします。
視点が変われば、アイデアが浮かんでくる
アイデアを考える際に、煮詰まってしまい、何も思い浮かばなくなることがあるかと思います。ついついそんな時は、「自分の想像力が低いせいだ・・・」と自己嫌悪に陥ってしまいがちです。ですがその原因の多くは、単に視点が固定化されてしまっているからです。
前回の「アイデア道場①」では「組み合わせ発想法」をご紹介しましたが、それと同じく、アイデアに詰まってしまったときも、テクニックで対処が可能です。今回は、視点を変えてアイデアのヒントを探る発想法を紹介します。
注目している箇所を、少し変えるだけ
視点を変えるということは、注目する箇所を変えるということです。
それだけで、見えるものは大きく変わってきます。たとえば、リンゴを離れた場所から見ると、ただの赤い丸に見えます。しかし、近づいて見るとその赤色の中にも、さまざまな模様や色が隠されていることに気が付くかと思います。アイデアも同じように視点を変えるだけで、今までは思いつかなかった考えが浮かんできます。
まず、視点の方向性をいくつか決める
視点を変えようとする際、はじめにすべきことは、視点の方向性をいくつか定めることです。アイデアを考える前に、あらかじめシチュエーションや設定を決めておくことがポイントです。そうすることで、見るべき視点やアイデアに漠然と向き合うのを防げますし、一種のルールができますから考えやすくなります。
たとえば、場所。
屋内・屋外・国内・海外など、場所を限定して考えます。
シチュエーションとして捉えるのもいいと思います。
たとえば、時間。
過去・未来・朝・昼・夜など、時間を限定して考えます。
たとえば、欠点。
物事がもつ欠点をあげて、解決策を考えます。
定めた視点から、アイデアを考える
それでは実践編です。
最近、プラスチックごみの削減が求められていることもあり、マイボトルを持ち歩く人も多いのではないでしょうか。今回は、「水筒」をテーマに、「場所」「時間」「欠点」から、アイデアを考えてみましょう。
場所
水筒は屋内でも屋外でも使いますし、場所からはアイデアを考えづらいかもしれません。そんな時は、もっと場所を限定してみるとアイデアが浮かんできます。
たとえば、ベッドの中。寝転びながら飲める水筒があれば、良い悪いは別として、そのまま温かい布団の中でのどを潤すことができます。1人暮らしで病気になった時などにも重宝できますし、他のさまざまな用途も考えられます。
時間
たとえば、「昼」からアイデアを考えてみましょう。昼といえば、ランチタイムですね。水筒と言えば、お茶やジュースを入れるものとばかり考えがちですが、要は「液体を持ち運べる容器」と考えることができます。蓋がついたお椀のような、スープ専用の水筒なんてどうでしょうか。インスタントのスープも豊富に売られていますし、お弁当と一緒に持ち歩けば豊かなランチタイムが過ごせそうです。
欠点
水筒の欠点を考えてみましょう。水筒は飲み終わっても、ペットボトルのように街中のごみ箱に捨てるわけにはいきません。カバンの中で結構なスペースをとってしまうことは、水筒の欠点だと考えられます。
蛇腹型の筒で作られた折りたためる水筒があれば、中身の量にあわせて大きさを調整できて、省スペースになりますよね。また、パック型でくるくる巻ける水筒などもよいかもしれません。
視点の数だけ、アイデアが広がる
今回は視点を「場所」「時間」「欠点」に定めて、アイデアを考えてみました。アイデアは視点の数だけ広がっていくので、場所・時間・欠点の他にもさまざまな視点を設定して考えると、「これだ!」というアイデアがきっと見つかることでしょう。
何かものを見るときに、「これはこの角度から見ると、どう見えるんだろう?」と習慣づけていると、その分アイデアを考える視点も増えていくのでオススメします。また、日ごろから自分なりの視点をデータとしてストックしておくのも、アイデアを広げる大きなヒントになるでしょう。
たとえば、こんなストックも
- 場所/お風呂・乗り物・パートナーや家族の部屋・アメリカ・宇宙・海・学校……
- 時間/人類誕生前、江戸時代、昭和、青春時代、10分前、10分後、100年後……
- 利用者/父・母・祖父母・小学生・赤ちゃん・武士・勇者・動物……
- その他/長所・拡大・縮小・似ているもの・正反対のもの・ズームイン・ズームアウト……
さらに、アイデア道場①の組み合わせ法のようにストックを掛け合わせて、「水筒」「似ているもの」「アメリカ」というような感じで視点を絞っていくのもひとつの方法です。ぜひ試してみてください。