プレゼンでありきたりなアイデアでしか提案できないと、悩みを抱えていませんか。話術でカバーしても、中身が薄いプレゼンは相手の心を動かしません。また、事業の課題解決に向けて、既存のビジネス手法に限界を感じている方もおられると思います。そんな中、従来通りの考え方では、同じ結果を招くだけかもしれません。これまでの思考を変え、独創的で価値あるアイデアを生み出すため、今すぐできるクリエイティブ思考をご紹介します。
クリエイティブ思考とは?
既存の枠を飛び越え、主観的な発想でものごとを捉え、アイデアを生み出す。それがクリエイティブ思考です。これまで芸術家やクリエイターならではの思考として、ロジカルシンキングを重視するビジネスの世界では馴染みのないものでした。しかし、変化が激しく既存の手法がすぐに廃れていく時代であり、顧客や消費者も見えていない潜在的なニーズを探り、価値あるものを創出することが重視される現在において、クリエイティブ思考はビジネスでも重要度が高まっています。
今すぐできるクリエイティブ思考を2つ紹介
自分はクリエイターでもないし、そんな才能もない。そう考えてしまいそうですが、クリエイティブ思考はクリエイターだけの特許でも才能でもありません。そこで、誰でもクリエイティブ思考を実践できる2つの方法をご紹介します。
「洗濯洗剤の売り上げを、現状の倍にしたい」
たとえば、こんな課題に、どのように考え、取り組んでいきますか。
販路の拡大? 広告・パッケージの刷新? マーケティングの見直し?などを検討されるかもしれません。しかし、クリエイティブ思考では、すぐに答えを導くような思考をせず、その課題から自由に視野を広げ、考えを巡らせていきます。
まずは、こんな方法で…
①常識の逆思考
洗濯洗剤の「常識」を洗い出して、その逆を考え、発想を広げていきます。
〇洗濯洗剤を思い浮かべ、「常識」といえることを思いつく限り、書き出します。
- 液体や粉洗剤が多い
- 容器はプラスチックボトル
- 詰め替えパックが多い
- 計量メモリがある
- 洗濯機に直接入れる
- ドラッグストアやスーパーで買える
- 洗濯機の近くに置かれている
〇次に、上記の逆を考えてみます。
液体や粉洗剤が多い → 気体や個体、グミ型やスライム型など
容器はプラスチックボトル → 袋・紙・鉄・ガラス、そもそも容器無し
詰め替えパックが多い → 詰め替え要らず
計量メモリがある → メモリ無し、メモリがなくても測れる
洗濯機に直接入れる → 洗濯機に入れない。自動で入る。
ドラッグストアやスーパーで買える → ドラッグストアやスーパーで買えない洗剤
洗濯機の近くに置かれている → リビングや寝室に置かれている洗剤
いっけん非常識かもしれませんが、今まで思いつかなかった世界が浮かび上がってこないでしょうか。そこから、消費者もマーケターも見えていなかった潜在的なニーズや、従来の課題解決につながる独創的なアイデアが見つかることがあります。
②5why
「そもそも、なぜ?」を5回繰り返すこともクリエイティブ思考の助けになります。
これは問題の真因を突き止めるロジカルな手法としても活用されていますが、発想を広げるうえでも役立ちます。
- そもそも、なぜ、洗剤を使うのか? → きれいにしたい、汚れを落としたい
- なぜ、きれいにしたいの?汚れを落としたいの? →衛生的じゃないから。
- なぜ、衛生的じゃないといけないの? → みっともないから。周りの人の目線が気になるから
- なぜみっともないとダメなの? → 清潔感がある人は好印象だから。もてたいから。
- 清潔感がある人は、どうして好印象なの? → きちんとしていて、相手への気遣いもできるような印象があるから
「そもそも、なぜ?」を繰り返すと、洗剤を使う動機が、様々な角度から掘り下げることができます。上記のように「きれいにしたい」の先に、「清潔感で、もてたい」「外見や、そこから受けとられる性格を印象良くしたい」という願望が見えてきます。汚れを取る技術だけにこだわるのではなく「もてる洗剤ってなんだろう」という発想からスタートすると、従来にないアイデアが生まれるかもしれません。
ロジカルの前に、クリエイティブ思考を
クリエイティブ思考にとって大切なのは、常識に囚われず、考えを巡らせること。最初からロジカルに考えていくと、常識の枠に囚われ、発想は広がりません。クリエイティブ思考は遠回りに見えますが、ハッとするようなビジネスアイデアや課題解決法を導いてくれます。プレゼン内容の検討でも、ぜひクリエイティブ思考を取り入れて、ありきたりな内容からの脱却をめざしませんか。