企画書やプレゼン資料をつくるとき、タイトルや見出しをどのように決めていますか。定型的なものを安易につけていないでしょうか。
「新商品の企画案」「集客増をめざす戦略」「業務効率化のご提案」など、これまで何度も見かけたようなタイトルでは印象が薄く、期待値はあがりません。せっかく内容の濃い企画・プレゼンを考えても、最初につまずいてしまってはもったいない。。。今回は、一目見て心を掴まれる、そんな魅力的なタイトルを生み出す方法を「キャッチコピーのつくり方」を参考にご紹介します。
言葉のセンスがなくても、伝える力は、グッと上がる
そもそも企画書やプレゼンは、「相手に伝わり、相手の行動を変える」ことができなければ意味がありません。そこには必ず「相手」がいるはずですが、タイトルを安易につけようとしているとき、その「相手」が頭から消えていないでしょうか。そして、無意識に自分の伝えたいことだけを言葉にしていることがよくあります。多くの方が失敗してしまうのは「伝えたい」という発信だけで終わってしまい、「相手に伝わるところ」まで意識していないからです。
「伝えたいこと」は、相手にとっても自分ごとや関係があるものとして認識してもらってはじめて、その役目を果たします。つまり、「伝える」とは「相手とどのように関係をつくっていくか」を考えることだとも言えます。魅力的なキャッチコピーは、そんな「相手との関係づくり」のうまさにあります。
キャッチコピーづくりにおいてもっとも基本的ですが、この「関係づくり」から伝える力を格段に向上させる「2つの方法」があります。いずれの方法は、言葉や表現のセンスがなくても大丈夫。これだけで十分に力を発揮するので、ぜひ取り入れてみてください。
【1】相手の未来を具体的に言ってあげる
自分にとって何か良いことが起こるとわかり、それが具体的であれば強く惹かれます。あなたの伝えたいことによって、どんな良い未来が起こるのか、それを具体的に言ってあげるだけで「伝えたいこと」を「相手」に強く関係づけることができます。大切なのは「新商品」「集客増」「業務効率」といった抽象的な表現ではなく、具体性です。たとえば、以下のように実際に相手に何が起きるのかを、いろいろと想像しながら書き出してみてください。
たとえば「業務効率」なら。。。
- 今の仕事が、定時1時間前に終わる
- 残業ゼロで、誰も辞めなくなる
- 毎日がプレミアムフライデーのようになる
- 同じ業務時間で、収益が1.5倍になる
など
このとき、主語を「相手」だけでなく、その関係する人たち(従業員、顧客、家族など)や、場面をアフターや家庭、休日などに変えてみると、具体的なイメージがさらに浮かんできます。次に、書き出したものの中から、相手が強く関心を持つだろうものを選び、それをタイトルや見出しに表現します。
たとえば、「業務効率化のご提案」を「毎日がプレミアムフライデーになる方法」に変えてみると、どうでしょうか。期待値があがってくると思います。「未来」と「具体性」は、「伝えたいこと」を「相手」と関係づけるのに大きな力を発揮します。
【2】相手が興味・関心があることに例えてあげる
伝えたいことを、相手の興味や関心があるものに言い換えたり、例えたりすることも有効な手段です。これも【1】と同じように、いろいろ書き出しみてください。難しく感じるかもしれませんが、あらかじめテーマを持っておくと、「言い換え」や「例え」がしやすくなります。たとえば、歴史、映画、おとぎ話、テレビ番組、ドラマ、話題のニュース、流行語などです。
伝えたいことが「新商品」「マネジメントの新企画」などの提案であれば、テーマの中から、革新的なモノ・人物・出来事などを思い浮かべ、それを使った表現を考えます。
- 〇〇界のiPhoneをつくる
- 家康流ガバナンスの導入
- わが社のエジソン育成プラン
など
単に「新企画の提案」と表現するよりも、相手の興味・関心度やワクワク感が高まっていくことを実感できると思います。
プレゼン開始1秒で、ライバルに差をつける
タイトルや見出しを安易につけてしまうのは、相手との関係を遮断してしまっているようなものです。しかし、「伝えたいこと」をどのように相手と関係させていくかを考えることで、「伝える力」はどんどん強くなっていきます。
ぜひ、企画書やプレゼン資料の作成でも取り入れ、ライバルが持っていない魅力的な表現で、成功への一歩を踏み出してください。