「デジタルシフト」という言葉や意味をご存知ですか? 企業のマーケティングや商品開発の担当者はもちろん、ビジネスパーソンの基礎用語として知っておくと幅の広がる言葉です。言葉通りの意味なら「デジタルを使う生活に変わっていくこと」と推測されますが、単純なデジタル化とは何が違うのでしょうか?
デジタルシフトの意味や活用ポイントについて分かりやすく解説します。
デジタルシフトとは
デジタルシフトとは、デジタル技術を応用して生活を便利にしていくことを指す言葉です。デジタル化と同じ意味の言葉ですが、デジタルシフトのほうが、どちらかと言えば技術を提供する企業寄りの言葉として使われることが多いです。
また、ビジネス分野では、デジタル化を通して、企業と消費者がコミュニケーションを取りやすい環境をつくることを指す場合もあります。たとえば、スマートフォンを使えば、消費者は世界中のどこからでも、企業の提供するデジタル化された情報にアクセスできます。疑問があれば問い合わせることもでき、双方向のコミュニケーションを実現させることが可能です。
デジタルシフトとデジタルトランスフォーメーション(DX)との違い
デジタルトランスフォーメーション(DX)も、デジタルシフトと同じくやや企業寄りのデジタル化を指す言葉です。しかし、デジタルシフトが主に「双方向のコミュニケーションを実現するための環境をデジタル化すること」を指しているのに対し、デジタルトランスフォーメーションは「生活をより良く、より便利にするためにデジタル技術を導入すること」を指し、デジタルシフトよりも広い意味で使われます。
たとえば、AIやIoTを導入することは、デジタルトランスフォーメーションの1つです。デジタル技術を用いることで、消費者が利用しやすいサービスの提供や企業活動の円滑化につなげていきます。
デジタルシフトによる企業戦略への影響
デジタルシフトによって、消費者の消費活動は大きく変わりました。店舗まで行かなくてもモノを購入できるだけでなく、購入者の声をインターネットでチェックすれば買い物に失敗することも減らせます。
しかし、デジタルシフトさえすれば新たな顧客がついてくる、というわけではありません。インターネットショッピングやデジタルサービスに対応している企業が増えた今、消費者目線での使いやすさや正確かつ迅速なレスポンスが求められています。また、タッチポイント(顧客接点)を増やすことも経営上非常に重要です。良いサービスを提供していても、消費者が企業とアクセスするポイントが見つけにくいならば、他の企業のサービスに取って代わられる可能性が高くなります。
デジタルシフトを企業が活用するためのポイント
企業がデジタルシフトを進めていく上で、ビッグデータ(量・種類・更新頻度において膨大なデータ群)を活用し、「消費者が求めているサービスや商品は何か」という点を分析していかなくてはいけません。たとえば、乳幼児用の粉ミルクなら、定期的なお届けサービスや追加購入・配送スキップなどを手軽にできることなどが求められている可能性もあります。クレジットカード決済で支払いの手間を省くことはもちろん、クレジットカード決済に不安を感じる方には代引きや請求書払い、口座振込などの多様な支払方法を選択できるようにするのもポイントです。
次に、タッチポイントの多さと、適切な場所に入り口を置くことにも注力しましょう。企業名を検索して購入窓口を探してくれる顧客には、企業ホームページからワンクリックでECサイトにアクセスできることが有効です。一方、購入したい商品を定めていない消費者には、インターネット上に広告を出したり、関連雑誌に二次元バーコードなどを添付したりすることで、購入サイトまでの道筋を案内できるでしょう。
デジタルシフトは企業の急務!ビッグデータ活用で戦略を立てる時代
消費者の行動や意識が変化していく現代、デジタルシフトすることはどの企業にとっても必要です。ビッグデータを元に消費動向とニーズを分析し、消費者にアピールできる最適なマーケティング戦略と適切なタッチポイントを構築していきましょう。