2023年7月1日から正式運用が始まったGA4。なんとなく移行作業は行ったものの、これからどのように分析をしていくかを決めていない方は多いのではないでしょうか。
今回は、自社サイトのパフォーマンスは上げたいが分析に時間はかけたくない方、アクセス分析は大事だと考えているが分析そのものに振り回されたくはない方へ、GA4移行後のアクセス解析のポイントについて紹介します。
GA4移行後のスケジュールについて
Google社が提供するユニバーサルアナリティクス(以下、UA)は、2023年7月1日をもってGoogleアナリティクス4(以下、GA4)へ完全移行しました。このGA4正式運用開始のタイミングをもって、これまでのUAは過去データの閲覧のみが可能となり、半年後となる2024年1月末をもってサービスそのものが終了します。
参考:「
Google Analytics4(GA4)移行に備える!機能の違いや移行作業についてチェック」
GA4では「セッションの定義」が大きく変化した
UAとGA4における大きな違いのひとつが「セッションの定義」、つまりセッションが切れるタイミングが変わったことです。セッションとは、ユーザーがWebサイトやアプリを訪問してから離脱するまでの一連の流れが、特定の期間中に何回あったかを計測した指標のこと。UAではこのセッション数を指標として、Webサイトやアプリのパフォーマンスを可視化していました。しかし、GA4では、「セッション」の計測方法が以下のように変わっています。
●セッションが切れるタイミングの違い
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UA |
GA4 |
30分以上操作しなかった時 |
切れる |
切れる |
日付が変わった時 |
切れる |
切れない |
参照元情報(ソース、メディア、キャンペーン、キーワード等)が変わった時 |
切れる |
切れない |
Webサイトとアプリを横断して訪問した時 |
切れる |
切れない |
上記の理由から、UAよりGA4はセッションが切れにくいため、セッション数の減少傾向がみられています。加えて、UAではサイトパフォーマンスを分析・評価する軸が「セッション(訪問)」でしたが、GA4からは「エンゲージメント(イベント・行動)※」という指標に変わっています。
※エンゲージメント:1)Webサイトやアプリの閲覧が10秒以上継続、2)コンバージョンイベント(問い合わせをクリックなど)の発生、3)2回以上のページビュー、いずれかに該当する行動
GA4では「ビュー」が廃止、「直帰率」の計算方法が変更された
GA4では「セッション」の定義が変わった他、「ビュー」や「直帰率」にも変更がありました。
1.「ビュー」の廃止
UAにおける「ビュー」とは、Webサイトでどのような分析を行うかを設定する単位です。フィルタを掛けて条件を絞り込んだり、目標を設定したりして保存ができましたが、この機能が廃止されました。
2.「直帰率」の計算方法を変更
UAにおける「直帰率」とは、最初の1ページだけ見てサイトを離脱したセッション数を全セッション数で割った値でした。対してGA4では、エンゲージメントがなかったセッションの割合を「直帰率」としています。つまり、最初の1ページを10秒以上閲覧した場合はエンゲージメントがあったと判断するため、直帰とは判断しません。よって、UAと比べるとGA4では直帰率の減少傾向がみられています。つまり、今までサイトパフォーマンスを知るために参考にしていた「セッション・ビュー・直帰率」という指標がGA4では変更・廃止されてしまったため、今までと同じ感覚で計測していると間違った判断を下してしまうのです。
GA4移行後のアクセス分析のポイント
GA4を使って効率よくアクセス解析を行うためには、自分たちが運営するWebサイトの目標を整理し、そのためにはどんなデータが必要かを知ることが重要です。運用するWebサイトやアプリの属性によって、アクセス解析で見るべきデータはそれぞれ異なります。
■ユーザーから何らかのアクションが欲しいサイト:広告LPやサービスサイト等
広告タグと連携し、アクセス分析を丁寧に行って、ユーザーの行動を細かに取っていくことが重要
■ユーザーへ情報を発信したいサイト:コーポレートサイト、ポータルサイト等
サイト外でのアクションも重要なので、なるべくそちらにリソースを割き、アクセス分析の負担は減らす
ただし、希望する分析結果を得るためには手間と時間がかかります。その理由として、GA4がUAと比べて自由度の高いツールになった反面、要件定義が複雑になったことが挙げられます。巷にはGA4に関する様々な情報が公開されていますが、そのまま真似しても成功しなかったり、自社サイトとは合わなかったりするケースも多いでしょう。もう一つの理由としては、専門用語等が多く設定が難しいことが挙げられます。上で紹介したように、UAとGA4では指標や計測方法が変わってしまったため、改めてデータの性質や仕組みを理解し、再設定することが必要になったからです。
つまり、効率よくアクセス解析を行うためには、業務負担を減らして必要なデータだけを追っていくことが非常に重要となっているのです。
その他、今回の仕様変更で変わったこと
■データ保存期間の変更
GA4のデータ保存期間は、初期設定で2ヶ月になっています。2ヶ月が経過すると、月単位で自動的にデータが削除されるため注意が必要です。保存期間変更を希望する場合は、「管理画面>プロパティ列>データ設定>データ保持」から14ヶ月に延長しましょう。
■カスタムレポート機能が廃止に
GA4では、週ごとにPDFレポートを自動メール送信する「カスタムレポート」機能が廃止されたようです。ただしGoogleが提供するBIツールの「Looker Studio」を使えば、定期レポートをメール配信することが可能です。必要な方は新たに設定を行いましょう。
■UAのデータをそのまま移行できない
UAからGA4へのデータの移行・引継ぎはできない仕様になっています。また、UAは2024年1月末をもってサービス自体を終了すると公表しています。これまでの分析データを残したい方は、2023年中に過去のレポートをエクスポートしておきましょう。
自社サイトに合わせた運用を検討するためにも、確実に移行作業を終わらせよう
GA4は自由度の高いアクセス解析ツールであるからこそ、どのレベルまで使っていくかを決めることが重要です。また、仕様変更など最新情報にアンテナを張りながら、日々対応していくことも求められます。仮に、「当社では使いこなせそうにない…」とデータ連携サービスの導入を検討するにしても、何のデータを見るかといった指標や運用方法を決めることは、どのサイトにとっても必要です。その事前準備としても、GA4への移行作業が問題なく完了しているか確認しておきましょう。
・GA4の運用に不安がある方は、専用ツールを導入するのもひとつの方法
GA4に完全対応した「MEGLASS finder(メグラス ファインダー)」のような専用のアクセス解析ツールを導入すると、専門知識不要でアクセス分析ができるようになります。知りたいページの動向がすぐにわかるほか、手間のかかるレポート資料も1クリックで作成可能に。プランによっては無料で始めることができますので、GA4の運用に不安がある方は専用ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
■もっと簡単にアクセス分析を行いたい方はこちらもチェック!
Google Analytics4連携型Webサイトアクセス分析ツール「MEGLASS finder(メグラス ファインダー)」
https://www.meglassfinder.jp/
※2023年7月現在の情報です。情報ご参照の際は 最新の情報をご確認いただくようお願いいたします。